なさの雑記

アウトプットの掃き溜め

BMSにおける「譜面」について

BMSは「曲」「映像」そして「譜面」まで含めて一つの作品です。

 

 どうもこんにちはNASAです。近頃BMSに興味を持って、プレイのみならず自分で作ってみるような人が随分増えてきたと思います。時系列的に言えば自分もそのうちの一人ですが。そんな中、差分作成から入ったBMS作者として、どうも気になることがありました。

 

 曲作って映像付けてBMSプレイヤーで動かして、「満足した!やった!」と充足感と完成への感慨に浸り、その後の「譜面作成」の工程で力尽きてない?みたいなBMSがたまにあるなあと。譜面ってBMS作る上でどう思われてるんだろう?と。

 

 長々と記事にするようなことでもないと思います。しかし、いざ作って評価される側に身を置くと、「BMS作りたての人の中にはそういう意識あんまりない人もいるのかな……」と感じたので、誰かが文章化しておくべきなのでは?と思い記事作成に至ったワケです。

 

 そんなバックがあるので、この記事では譜面作成の方法やテクニックよりは、BMSの中の譜面」について、比較的フワッとしたことを書きます。テクニックなどは他の人もいっぱい解説してると思うので、そちらを当たって欲しいです。この記事を読んで何も得られなかったら、譜面について一定以上の意識はあると思ってもいいのかな、と思います。

 また、この記事を読み進めるような人は、BMSとは何か?等のバックボーンは多少なりとも知ってると思うので、そのあたりは分かってることを大前提として話を進めさせていただきます。

 

 

 

BMSにおける「譜面」とは

 BMSを作る動機として、曲をゲームに落とし込んでみたかった、音ゲーが好きだから、あのBMSに憧れて……などなど、色々挙げられると思います。BMSデビューの動機次第で「譜面作りへの熱量」や「作品内での重要度」は、随分変わるものだと考えています。

 しかし、それらの制作者のモチベーションに関係なく、譜面は作らざるを得ないものです。BMSは譜面無しでは成り立たない」必要不可欠なものってことです。コレ大事。

 

 いくら斬新でハイクオリティな曲を作ったとて、いくらヌルヌルでエモい映像が付いたとて、譜面が手抜きでダメダメなら、BMSとして高い評価を得ることが難しくなります。それくらい重要な部分です。当然その逆も然りですが、あり得るケースとしては、曲に譜面が付いてこられない方が多いでしょう。BMSは音楽"ゲーム"なので、音切り仮配置まで終わって頑張った!自分オツカレ!とならずに、少しだけ我慢して譜面にも目を向けて欲しいです。

  

 そんな重要な部分を担っている譜面ですが、個人的には、プレイヤーが楽しいと思えるような譜面、あるいは曲の表現により合った譜面にするべきだと考えています。これはBMS作者なら結構広めな共通認識である……はずです。多分。この2つを軸に、『「譜面」について』を考えていきます。

 

 

 

普遍的な譜面

 プレイヤーが楽しいと思えるような譜面について考えるにあたり、恐らく最も有用であろうソースとして、BMSイベントに作品を出した際のインプレッションを参考にしていきます。といって参考にしようとしたんですけど。

 近年のBMSイベントへのインプレッションを見ていると、へのコメントが非常に目立つ一方で、譜面映像(BGA)へのインプレはほとんどなかったりしますBGAに関しては、今に至るまでのいつの時代も付いてたり付いてなかったりしますが、いざ映像付きで出して言及されないのは、BGA作家からすると寂しいものなのかなと思います。それと同様に、譜面に対するコメントも、BGA程じゃないですが少ない傾向にあります。

 

 「曲も譜面もBMSに必須なモノなのに、何故こんなに差が生まれるんだろう……?」

 

 BMSの構成要素として必須である「曲」「譜面」。近年のインプレッションの傾向を見ると、プレイヤー目線で一定以上の曲のクオリティがあると確認した後で、譜面の演奏感を評価する人が多い、という風に捉えられます。この視点から行けば、一定のクオリティのある楽曲においては、譜面についてコメントが付くはずです。しかし、現実にはそうは言えず、これらの差には他の要因があるといえます。

 

 個人的には2点考え得る要因があります。

 まず、「曲」と「譜面」の定量的な評価のしやすさが考えられます。「曲」は、メロディ、コード、音色、リズム、ミックスなど、多様な視点から作品を評価することが可能であり、様々なコメントを付けることができます。一方「譜面」は、要素としては配置や難易度、TOTAL値などが挙げられますが、正確に評価できるのは配置だけです。難易度はほぼ詐称か逆詐称かだけですしね。配置を評価するとしても、配置そのもののクオリティを評価するのは非常に難しいので、好き嫌いで評価したインプレッションも珍しくありません。

 次に、プレイヤーが各要素に求めているものの差が考えられます。具体的には「曲」には「目新しさ」を、「譜面」には「無難さ」を求めているのではないかと考えています。目新しいものには評価がしやすいですし、無難なものにはコメントを付けにくい、当然ですね。しかし、少し強い言い方をすると、プレイしていて気にくわないと思った配置には、プレイヤーは鋭く指摘をしてきます。そういう指摘をされるという制作者側の恐れや配慮から、無難な譜面が広く採用されている、というのが現状だと思います。

 

 総じて言えば、「プレイヤーが楽しいと思える、広く受ける譜面を作りたいなら、無難に行くのが一番」ということです。譜面に興味が無い人や、譜面制作がBMS制作で一番の障壁になっているような人は、これを心掛けると良いと思います。また、冒頭で述べた譜面制作のテクニックは、基本的に無難で普遍的な譜面についての記事になります。具体的には、Telnoさんの記事(同梱・低難易度向け)や、swaさんの記事(差分・高難易度向け)を読むと大変参考になると思います。

 

 

 

個性的な譜面

 一方で、「無難な譜面はもうええんや!」とか「譜面も表現の一部だ!」とか、曲の表現により合った譜面を模索している人もいます。言葉で言うより見た方が早いので、いくつか例を挙げてみたいと思います。

 

 独特な配置を追い求めるといえば、縦連打を追及するのがあまりにも有名な例ですね。何年も一貫して縦連打の作品を出し続けることで、一つのスタイルを確立しています。

 譜面と動画がリンクする作品も多々見受けられます。「譜面落つMS / tarolabo」、「Destr0yer / 削除 feat. Nikki Simmons」「DRAGONLADY / Nankumo」などが代表例です。元ネタをリスペクトした「stairway to the universe / maki」は、譜面が表現の一部になるとともに、ゲーム性の向上に一役買っている名譜面なので挙げさせて頂きます(大ファン譜面)。

 これらのように、決して無難とは言えない配置を織り交ぜることで、譜面や作品全体に個性を持たせることが出来ます。作品としての一体感も増すので、多少尖っていても好印象を持たせることが出来るでしょう。

 

 また、最近ではギミック譜面を同梱することで、表現の幅を広げるという試みが見られます。例えば、「Bubble Flower / Sound Souler」「パブロペトリの泡影 / 珊瑚と海月」「Lots Of Spices / Hammer Switch」などが挙げられます。

 音に合わせたギミックや、曲の世界観をより膨らませるようなギミックを使うことで、更に強い個性を表現できます。しかし、一般プレイヤーの中には、HS-FIXが掛けられないだけでプレイをやめるような人もいるので少し注意が必要です。

 

 ギミックは個性として強すぎるとしても、全押しやソフラン、皿、LN、地雷ノーツなど、個性を出す手法は他にも色々あります。ある程度譜面制作に慣れ、無難な譜面だけでは物足りない!という時は、ひとつアクセントを加えてみてはいかがでしょうか。譜面自身に意志が加わると、より良い作品を仕上げる手助けになると思います。

 なお、トランスやハウスなどの繰り返し系のジャンルだと、こういった個人差を盛り込むのは難しいかもしれません。無理に個人差配置をねじ込み、そのせいで作品が壊れてしまうなら本末転倒です。ジャンルと曲調とも相談して、適切な配置を心掛けることが大事です。

 

 

 

おわりに

 結局色々お話をしましたが、言いたいこととしては

  • BMSにおいて譜面は必要不可欠だから、手を抜いちゃダメだぞ!
  • 無難な譜面は譜面制作初心者向け・万人受けするけど在り来たり
  • 個性的な譜面は譜面制作慣れた人向け・万人受けしないけど意志を感じる
  • 譜面にももう少しインプレ下さい

 ギュッとするとこれくらいです。長々と書いちゃいましたね。既に何作もBMSを作っている人からすれば、恐らく当たり前の事ばかりだったんじゃないでしょうか。わかんないですけど。今後譜面を作る上で、ほんの少しで良いので、頭の片隅に置きながら作業に取り掛かって頂ければ嬉しいです。

 

 次回はあるとしたらギミックのお話をしたいですが、正直新規の何かを見つけた訳ではないので書くこと無さそうですね。既に偉大な先人による解説サイトがちら(XYZさん)ほら(ctcさん)とあったりしますし。まあ……時間があれば……ということで。ではでは。