NASA 1st Album「Halve Reality」について 【制作後記】
体調が終焉な今日この頃、誰か助けてくれ!どうもNASAです。
ご存知の方はご存知、知らない人はそれとなく今確認してほしいのですが、M3春2022にて1stアルバムを頒布しました。
その名も「Halve Reality」。「現実を真っ二つに」。文法的には間違えてるけど無視しました
この記事では、その制作までの経緯やら内容やらについてつらつらと自分語りします。オタク。
------ 目次 ------
1.制作に取り掛かるまで
時は更に遡って2021年。そこそこ親しい仲であるおさとう(sugar)さんが春のM3で、kooridoriさんが秋のM3でアルバムを出し、両者から「次はお前や」と唆されていました。ぐぬぬ。
M3というのは音楽系同人即売会の最大手で、年2回東京流通センターで開催されています。
数百のサークルが犇めき合い、己の渾身の創作物を聴きやがれと、会場を取り巻く目に見えない熱気は錚々たるものです。
私はM3秋2020で初めて客として参加し、あまりの音屋の多さに怖じ、自分が創作をやる理由とは何ぞやと考える程度には衝撃を受けました。
そして2回目の参加になったM3秋2021、そこでよく見知った仲の友人がCDを売り出し、楽しそうにしている姿を見て、少し思うところがありました。
「アルバムこそ、自分の曲の評価を正当に客観視できる場なのではないか?」と。
有名なKONAMI社の音楽ゲームである「beatmaniaIIDX」や「pop'n music」と極めて似た性質を持つ同人ゲーム「BMS(Be-Music Script)」、私はその中で譜面兼BMS作者をやっています。
活動の始まりが差分譜面の作成(元あるBMSに別の難易度・アプローチの譜面を付けること)からだったので、BMSを作る側として関わってからも「自分は譜面作者である」というスタンスを一貫してきました。
しかし、譜面には一定の自信があるものの、自分の曲はどのように見られているのか?という点については、広いようで狭いBMSという界隈の垣根内でしか評価されたことがなく、イマイチよくわからん!というのか正直なところでした。
アメリカ航空宇宙局の名と被ってるくせに、ちっぽけな井の中の蛙のままでいいのかお前は、という念が、活動年数が増えるごとに堆積していました。
交友関係が固定化されていく一方、このままではアンテナ消滅老害アラサーに一直線!という地獄のような現状を打破すべく、友人の姿を後押しにCD制作を決意しました。
2.コンセプト
アルバム名のHalve Realityに至るまで、一体何があったのか。
前の章では何か大層なことを書いていましたが、現実的に考えてBMS界隈外で知名度0の人間が普通に売り出しても、誰も見向きはせんだろうというのが世の常人の常。
ならば方針としては、既存曲のロングはやりつつ、今までChiptune系の作者として認知されていたであろう固定観念に一石投じたい。知らない人へ売り出すというよりは、「既に知ってもらっている人へ決意表明をしたい」と。
そうなったらもう吹っ切れるしかない、やりたい放題やろう!というのが構想でした。
まずはこっそり東京事変が好きなので、東京事変のアルバムでやっている「タイトル文字数芸」をやろうと。実は失敗してるけど
そして半分は既存曲、半分は新しい曲にして、真ん中に転換点になる曲を持ってくれば完璧では?
安直な思い付きから始まった計画は既に年を越しており、3ヶ月の限界作業に追われることになったのは、今となっては……決して良い思い出ではないな……。
3.各曲紹介
01. Reality / 09. Imagine
構想の「現実」と「理想」をイメージした対になる2曲。曲の構造はほぼ同じで、Chiptune的構成(Reality)→なんちゃって吹奏楽的構成(Imagine)に変えています。自分から最も遠いところにあるジャンルが生音、ひいてはクラシックやブラバンのようなジャンルなので、敢えて挑戦してみました。
02. Welcome to the 8bit Miniascape! [Re:2022]
最もChiptune的構成に近いこの曲からスタート。
自分が主催したBMSイベント"Bit Memory Squarewaves"に参加した曲のロングバージョン。BMS制作当時は素晴らしく時間が無かったので、後から見返して足りなそうな音を足したりしています。
03. F10atmaneuver [Re:2022]
BMSイベント"BOFXV"に参加した曲のロングバージョン。「浮動小数点」をテーマにした作品で、BPM 0-1という制約の中でギミック譜面を成立させた個人的会心の一作です。一方、曲に関しては未熟な部分があったのでこの機会にブラッシュアップしています。
04. MEGANETWORK! [Re:2022]
セカイに届け、メガネの"環"!
BMSイベント"BOFXVI"に参加した曲のロングバージョン。「眼鏡」をテーマに作品のいたるところに眼鏡を仕込んだ、自分の好み100%の作品。Chiptune+αとして色々な要素を織り込んでいます。ロング尺では更に別の要素が足されているとか……?
05 .In↓erse Wor↑d
全員を面食らわせるにはどうすればいいか?固定観念を根底から覆せばいい。
自分が一切触れてこなかったロック系のジャンルで「世界をひっくり返す」一曲。自分をよく知る人ほど驚いてくれたはず!新しく書き下ろした曲の中で一番すぐ出来た記憶があるので、意外と相性が良いのかも?
06. MEGANEXTONE! feat. 初音ミク
驚きの声は一回だけでは終わらせない。自分は次の世界へ進むのだ!
またしても自分が一切触れてこなかったボーカルモノで「次の世界に自分を進める」一曲。lumoさんの「ネコンダクター」に心奪われてから、いつかこの人みたいな曲を作ってみたい!を体現しようと試行錯誤したものです。
07. Appr0x1mate
何もかもキモい曲が好き、そんな逆張りを詰め込んでみよう。
硬めな音と変な音を15/16や17/16の変拍子に乗せて、ドカチャカ置きまくった不思議な曲です。Frumsさんへの憧れ要素がちょっと入ってます。今思い返せばこの曲が一番音が良いかも?
08. Goodbye to the 4-by-4 Universe!
逆張りの次は順張りでどうだ?ただし四つ打ち、テメーはダメだ。
Drum'n'bassをイメージしながら作ろうとした、個人的に正統派な曲……のはずが突然ブレイクビーツが紛れ込んでいつも通りになる曲。Chiptune要素が逆に引き立て役に回るようなところを目指して、到達できた……のか……?この曲Chiptune要素のとこが一番良くない?
10. Welcome to the 8bit Miniascape! (Lime Remix)
BMS界の憧れの大先輩ことLime(Kankitsu)さんによるRemix。ひっそりと自分の過去曲要素まで入っていて、依頼が通った時と音源が届いた時の2回、家が倒壊するほどの大きな声を出したせいで破産しました。THE Kawaiicore全開な曲調でファン大興奮の一曲です。
4.後記
なんだかんだで入稿はギリギリだったものの、無事にアルバムは完成しました。
M3当日は売れる売れないに関係なく、自分の心血を注いだものを手に取って貰える、という経験がとても新鮮で、感謝だったり驚きだったり物凄い巨大感情になったことは覚えています。とても貴重な体験でした。
一方で、BMSはイベントに出せばインプレッションで反応が必ず返ってくるのに対し、聴いたアルバムに対して反応をどこかに投げるという文化とか習慣って滅多にないよな、という所があまりにも盲点でした。一部の人から反応があってとても嬉しかった一方で、どうでした?このアルバム。自分は気になってます。今からでも遅くないぞ!(突然の自己顕示欲)
……
時は現在に戻り2023年秋、結果としてアルバム制作から徐々にChiptune以外のジャンルにも手を出せるようになり、DTM初心者から駆け出しくらいにはなれたかな、と思っています。まだまだだけどね!
また、正直今聞き返すとちょっと思う所はあるものの、思う所があるということは前進出来ているのだ、という証左なので、自分はまだまだ進めるんだと思っています。
そんなNASAが参加しているアルバムが2023秋M3で出るぞ!
BMSイベント"BOFXV"の時のチーム「73KB」のメンバーであるE0ri4、KaKi、otoshi.bの3人と再び集結し、それぞれの新曲とRemix、合作までしちゃうアルバム「73KB EP」が出ます!
自分の関わっている曲は以下の3つです。
01. Limegreen / NASA × E0ri4
E0ri4さんとの合作です。自分はメロとFX担当!E0ri4さんの手によってめちゃ爽やかでイカしたComplextroに昇華されています。
【新曲】
— ゑおりあ/E0ri4@秋M3コ-11ab (@E0ri4_811) 2023年10月21日
M3-2023秋にて頒布する『73KB EP』に収録されているNASAさん(@73_4k)との合作曲「Limegreen」のプレビューをSoundCloudに公開しました!
Bit👾でColour🌈でBass💥でClean✨なComplextroになります!
▼SoundCloud▼https://t.co/zZwVQ9UnfR#73KB_Forever #M3秋2023 #M3 pic.twitter.com/tCph3jzzem
05. PERFECT PARFAIT (NASA Remix)
BMSイベント"A-1 ClimaX 8th -Stand out shines-"でE0ri4さんが参加した作品のRemix。Chiptune音源縛りで作ってるので、普段通りのピコピコです。他の曲の要素も混ざってるとか混ざっていないとか……?
09. F10atexplorer
タイトルからも察せられる通り、自分のアルバムにも入れた"F10atmaneuver"の正統派続編です。気合入れすぎて6分ありますが色々詰め込んだので飽きさせはしません!
当時プレイしてくれた人にとっては感慨深いだろうし、新しく知ってくれた人にとってはチーム紹介のようなアルバムになっていると思います。
当時を思いながら現在の自分が出来ることは詰め込んだし、他の人も同様なので、熱量のこもったアルバムになっていると思います。
通販もあるので、是非手に取ってくれよな!
Chiptune/Chipsサブジャンル限定BMSイベント「Bit Memory Squarewaves」
「カワイイピコピコ、クールなピコピコ。
エモいピコピコ、シブいピコピコ。
貴方の思い入れは、何処から?」
○イベント概要
ChiptuneおよびChiptuneをメインとするサブジャンルの楽曲限定のBMSを作るイベントです。みなさんの思い描くピコピコサウンドを他の方にぶつけましょう!
○開催期間
登録期間:2021/04/01 - 04/04
評価期間:2021/04/05 - 04/18or25(登録作品数により前後します)
○ルール
● 作品形式
・BRS規格(ver.002)に則った作品であること。(認められた例外を除く)
例外)イベントの性質上起こり得る可能性があるため、注釈として示します。
他者が制作したゲーム内の音声・SE・画像の引用…不可
"耳コピ等で再現された"他者が制作したゲーム内の音声・SE・画像の使用…可
・BMS作品として未公開の楽曲であること。
→公開済の楽曲をBMS化して参加…可
・楽曲の種類はオリジナル、アレンジ、リミックスであること。コピーBMSは不可。
他者のMIDIを利用する場合は、MIDIの製作者に許可を取ること。
・演奏可能なbms、bmson、pmsのいずれかが1譜面以上含まれること
・特定のプレイヤーでしか動かない特殊な命令(バナー画像、圧縮音源(ogg、flac等)、WAV・BGA・BMP拡張定義、動画使用、ロングノート、ストップシーケンス等)を使用している譜面がある場合は、推奨プレイヤーを必ず明記してください。
これらの規定を守っていないBMSや、登録時にBMSを同封していない、またはDLが出来ない作品につきましては、公式アナウンス後一定期間経過してなお改善されない場合に失格となります。
また、登録期間終了後にアーカイブの改変(意図した音が再生されない等の致命的な不具合があり、コメント欄にその旨を明記した場合は除く)が行われた場合は失格になります。
登録期間終了後での差分やBGAの追加は、コメント欄にDLリンクを追加する形で許可します。
・登録作品数の制限はありません。1人で何作品登録して頂いても構いません。
●インプレッション
プレイヤーは1作品につき1つインプレッションをすることが出来ます。
・禁止事項
1.匿名でのインプレッション全般
2.自作自演によるインプレッション全般
3.作品内容に関連性の無い、評価者の私情を評価の対象に入れる行為
4.会場内を荒らす行為(いわゆる荒らし行為)
5.宣伝書き込み(いわゆるSPAM)
6.作品のジャンルに対する過激な言動および行為(いわゆるジャンル警察)
以上に該当するインプレッションを行った場合、予告なく削除する場合があります。
悪質な場合は更に他のインプレッションも無効の上、新規にインプレッションしても評価の対象としない措置を取る可能性があります。
●得点形式
得点 : 0~3pts. + 追加ルール「ピコい!」
イベント終了後獲得点数を集計し、高い順にランキングします。
同点の場合は"「ピコい!」数"、"得点のAverage"の順に比較し、高い作品を上位とします。いずれの項目も同一であった場合のみ、同率の順位とします。
※「ピコい!」について
"Chiptuneとしての魅力"がより感じられる作品に、インプレッションの際に「ピコい!」の評価を付けることができます。
「ピコい!」は結果発表の際に集計され、「ピコい!」数に対応した最終得点への加点を予定しています。
●使用会場
Bluvelさんの会場(https://yaruki0.net/)を使用させて頂く予定です。
○Q&A
Q.Chiptuneというジャンルは、一体どこまでがChiptuneなんですか?
A.非常にデリケートで見解が分かれる部分ですが、当イベントでは作者がChiptuneだと思えばOKです。もし不安な方は一つの基準として「実機(NES、SFC、GB等)で演奏可能である曲」か「曲の主要な構成要素がChiptuneに準ずる音色である曲」を目安にしてください。
参考としてアルバムを何件か貼らせて頂きます。こちらに示した楽曲は、おおよそChiptuneおよびそのサブジャンルに含まれるものです。意外とサブに含まれる範囲は多いという事が分かると思います。
その他当イベントに関するご質問は、この記事のコメント、Twitter、nasashikimint☆gmail.com(☆を@に)のいずれかにお願いします。
F10atmaneuverの譜面のギミックについて+感想もあるよ【BOFXV後日談】
俺は曲を作る!やるぞやるぞやるぞ!とタスクを詰めまくったら予定が絶賛大炎上し、卒業が危うくなっています。
どうもNASAです。人の身体は一つしかないことを忘れちゃいけない。
さて、今回はBOFXVの拙作「F10atmaneuver」の譜面のギミックについて解説します。
とはいっても、既にReadmeである程度分かる人向けに説明はしてあるので、その文章を土台に「BMS制作わからん 譜面制作もっとわからん」みたいな人の中でギミック興味あるよ!という人向けに補足をしていきます。
事前にお伝えします、まあまあ長い記事になります。覚悟の準備をしておいてください。あと最後に感想もあります。
では早速解説に入りますが、ここからは同梱のReadmeファイル「_readme.txt」の一部と「_w_how_to_gimmick.txt」を引用しながら補足していきます。文章は多分前後すると思います。
頭についてるwの意味は、草!ではなく、本体からテキストを見た時にreadmeが前に来るようアルファベット順で後ろに持っていくための配慮です。
F10atmaneuverのギミックの作り方
●BPMと小節長
1.普通に譜面を作ります。
STOP!既に抜けている工程があります。まずは画像を見てください。
これはF10atmaneuverのI譜面をテキストで開いたものになります。譜面ファイルをテキストで開くとこんな感じなんですね。
これらの文章の中で、#XXXYY:~ のXXXは何小節目か、YYは何を行うか(命令)を示しています。
例えば、YYが01だとBGMレーンの音の配置、02だと小節長、11~16,18,19は1P側の配置といった感じです。
ここで、命令のないorデフォルトの数値と同じと認識されたYYの定義は全て省かれます。つまり、画像の001小節だと、スクラッチのみしか配置されていないため、スクラッチを示す00116以外の11~15,18,19の記述は省かれています。
ここで重要なのは、今回のギミックには何としてもテキストでの小節長の編集が必要であることです。
小節長のデフォルト数値は1、つまり4/4拍子なので、そのまま譜面を作るとテキストには表示されないことになります。それは困る!ので、今回の作品ではBPMと小節長をあらかじめ2倍にして作っています。
作り方は、"Beat(拍子)"のタブを開き、001小節から曲の終わりまで全部小節長を2(8/4)にします。iBMSC/μBMSCでは、拍子の詳細設定にある「配置の絶対位置を保つ」にチェックを入れてから、同様の操作を行ってください。次に、初期BPMを2倍にします。
ここからが重要で、次はテキスト形式で譜面を開き、001小節の前に「#00002:2」と入力します。これを行わないと、BPMを1/1000にした際に、プレイヤーは000小節目で13分待ちぼうけを食らい、考えるのをやめることになります。
2.BPMを1/1000にします。
この時、拡張定義で設定している#BPM01と#BPM02の値も1/1000にすること!
初期BPMと途中に挿入したBPMを1/1000にするというそのままの意味です。と言いたいところですが!拡張定義ってなんやねんと思われた方もいると思います。説明しましょう。
BPMは本来03の定義で示されます。しかし、この定義は16進数であり、BPMが01~FF(=1~255)の整数の場合しか対応していません。
そこで、拡張命令として拡張BPMという概念があります。定義は08です。そもそも拡張定義って書き方間違えてるなコレ。あらかじめ定義しておいたBPMを任意の箇所に引用することが出来るという、可能性の塊みたいな命令です。
画像のように、#BPMXX (変えたいBPM)といった感じで定義し、あとで#XXX08:01と入力すると、そこからのBPMが定義した数値になります。便利!まあまず普通に譜面を作ってるうちはテキストから直接入力する機会はほぼないと思いますが!
3.小節長を1/1000にします。
メモ帳の置換を上手く使って、小節長を1/1000にしましょう。
("02:2"→"02:0.002"のように変換すると良いです)小節長を変更した場合は、適宜その箇所だけ変更しましょう。
そのままの意味です。もし小節線を使った演出を仕込むなら、この工程はちょっと面倒なことになる、ということです。同梱譜面は結構面倒なことになってました。
以上までの工程を行うと、「BPM0で譜面が動いてる!不思議~~~!!!」というBMSを再現することが出来ます。BPM0の謎はここまでで大体説明できたと思います。
ちなみに、プレビューではLR2でもorajaでもBPM1と表記されると思いますが、これは本作品中最後のノイズの直後にBPM1を敢えて挿入したからです。もしこれを削除し、BPM1未満の地帯だけになれば、LR2のプレビューではBPM数値の表示を諦めます。こんな感じで。
そういえば、ここまでのBPM関連の話でもう一つ解説しておくべきギミックがあります。
●BPM表示バグ(LR2限定)
通常のBPMから0<BPM<1の領域にソフランさせた場合、LR2限定で特殊な現象が起きます。本作品の2:00あたりからが該当します。
なんかBPMがうにょうにょしてますね。これはLR2の仕様(バグ)の一種です。ギミック譜面の中に表現としてしばしば用いられる技法で、本作品中でも終盤で色々ぶっ壊す展開になるので導入しています。
本作品で言えば、最初のBPMを0.36に設定すると、初期のBPMは0と正しく表記されますが、サビ終わり(2:00くらい)でもう一回BPMレーンに0.36と置くと「ソフランした?」とLR2が認識し、そのパートからBPMうにょうにょが始まります。
使いどころは少し限られますが、演出として面白いギミックですので、みなさんもLR2がメインストリームであるうちに使ってみては!とオススメしておきます。
●ワープ(ちょっと高度な話です。)
譜面がワープしてきてびっくり!みたいな演出、憧れたことはありませんか?いいですよね、ワープ。ぼくは好きです。
この「譜面をワープさせる」という技術の根本的な原理は「見えないところから急に譜面が登場すること」です。
その方法は色々あるのですが、今回のようなBPM1未満という特殊な環境でも、ワープさせることが出来る方法があったので、紹介しておきます。
・beatoraja用の場合
1.SCROLL定義を使用するので、uBMSCを導入しましょう。
導入の仕方は各自調べること!
各自調べて導入して!iBMSCとかBMSEが動けば流石に動くから!
2.ワープさせたい箇所の始点に、デカい数値のSCROLL(1万以上でOK)を定義します。
3.デカい数値のSCROLLの直後(1/32以下、出来れば1/192以下が望ましい)にSCROLL 1を置きます。
ゆっくり加速させたい時や減速させたい時は、適宜変更してもOKです。4.テキストで小節長と小節線を直すのは仕込んだ後でOKです。
SCROLL定義は、その名の通り譜面のSCROLLスピードを直感的に調整できる機能です。大体下に示す画像のようなイメージ。
これを前提知識として、実際の譜面内のワープ箇所を示します。
次に、同梱の解説文前半+この画像版の説明を置いておきます。
SCROLL定義は、入力した数値分譜面が伸縮します。0.5と入力すれば、適用された区間の譜面の長さが1/2倍になります。要は見かけ上BPMが半分になった時と同じ振る舞いをします。逆に2と入力すれば、譜面の長さは2倍になり、BPMが倍になった時の挙動をします。
では、微小区間に対してクッソデカい値を適用させるとどうなるか?
SCROLLに65535が挿入されている225小節の頭がワープ点です。この225小節の小節長は1/32ですが、SCROLLによって65535倍に引き伸ばされているので、プレイ時に流れてくる見かけ上の小節長は65535/32=約2048になります。この時点で、プレイヤーは225小節が終わるまで、226小節以降の譜面を視認することはできません。しかし!225小節の実際の長さはわずか1/32しかないため、瞬く間に226小節以降の譜面が飛んでくることになります。
これがSCROLLでのワープの原理です。面白いですよね。本作品では動画の0:37~で使っています。
応用的な視点では、どんな値のBPMでも適用できるというのが非常に強い点です。恐らく、原理と方法さえ分かれば譜面制作初心者でも安易に仕込むことが出来ると思います。しかし、SCROLLはbeatorajaとbemuseしか対応していないという弱点があります。いつかorajaやbemuseがもっと盛り上がった時、最も重要視される命令だと考えています。
余談ですが、SCROLL自体は、0を入れれば「ちゃんと時間が経過する」STOPになり、負数を入れれば逆走が出来る、かなり優秀で新規性のある命令です。詳しいことはまた別途解説記事が作られれば……。
また、この辺りの話を最大限拡張した譜面がwitchcraft [14SCROLLMAGIC]なのでみんなも観ましょう。ギミックの自由度の高さが良く分かると思います。
・LR2の場合
例によってまず当該箇所の画像を示します。
同じワープなのにヤケに間隔空いてますね?なんでこんなことになるんだ!解説しましょう。
1.あらかじめワープさせたい箇所に、STOP 1を置きます。
4.テキストで小節長とBPMをいじり、#STOP(数値) 1の値を#STOP(数値) -1に変更します。
この画像の場合だと、225小節の頭でワープさせたいので、そこにSTOP 1を置き、後からテキスト形式での編集でSTOP -1に置換しています。
あと、少し手順が飛びますが、後から知ったので付け加えておくと、μBMSCでは直接STOP -1が置けるらしいです。びっくらこいた。ですので、4の手順は不必要になります。
さて、STOP -1というパラメータが出てきました。本来、STOPは正の整数値が使われ、n/192分(nはSTOPに入力した値)の区間譜面の進行を止めるという命令です。テキスト形式では09になります。
譜面の進行を止める命令に入る負数、一体これが何を意味するのか?それは同梱の解説にも示しています。
STOPに負の値を入力すると、その絶対値の大きさに関わらず、1/192小節分ワープします。
つまり、STOP -1を4/4小節の中で192分の間隔で192個敷き詰めると、1小節分丸々ワープさせることができます。
凄くないですか?何その仕様?どうして教えてくれなかったの?
それはこの仕様自体がLR2のバグだからです。 現状のoraja(ver0.7.5)ではこの定義は無視されるため、動作しません。これがLR2とorajaで譜面を分けなければならなくなった決定的な要因です。ぐぬぬ。
そしてこのSTOP -1はあんまり融通が利かないため、次のような操作を行っています。
2.拍子のExpand内の「絶対的な位置を保つ」を選択した状態で、ワープ開始点の小節長を1/192、後続の小節長を小節の頭と音が合う長さにします。
(単純に1小節飛ばすだけなら、後続1小節の小節長は1)3.拍子のExpand内の「小節の長さに合わせて位置を変化させる」に変更し、ワープ開始側の小節長を1000/192にします。
今回の解説内で一番分かりにくい部分です。Readmeの解説部分を後から見返したんですけど、この文で理解出来る人間いなくない?
Readmeを書いていた時は結構追い込まれた状態だったので、色々思案した結果こんなクソ文になっていますが、改めて考えるととても単純な原理だったので、ここだけReadmeガン無視で解説します。(Readme読めばわかるとか言っといてごめんなさい)
STOP -1は1/192小節分ワープすると説明しましたが、本作品の1小節当たりの小節長は0.002(=1/500)なので、STOP -1が1個あるだけで、飛んでくる方のワープに足りるくらいの移動距離があります。
そこで、ワープさせる始点にSTOP -1を置き、後で小節長を1/1000した際にワープ区間の小節長が1/192になるよう、譜面制作段階ではワープ区間の小節長を1000/192にします。この方法を操作2,3で説明しています。めっちゃ簡潔やんけ。
BPMと小節長を1/1000にしたなんてドイレギュラーなことをやったせいでこんなことになっているだけで、普通に譜面をワープさせるだけならもっと手間かからないので安心してください。この記事では本作品での特例を取り扱っているだけなので……怯えないで……ギミックはいいぞ……。
使用したギミックについての解説は以上になります。分からないことがあったら直接DMででも聞いて!以下感想!!!!!
感想
この度は沢山のプレイインプレありがとうございました。個人スコア17位ですって?身に余り過ぎるくらいの高評価ですねこれは……。「みんなギミック譜面に興味ないのかな……」と内心悄気かけていた筆者の心は無事救われました、ありがとうございます。また、インプレに賛否が出るのは覚悟していたのですが、多くのプレイヤーの方々に前向きな捉え方をして頂けたようで大変嬉しい限りです。
これだけインプレが伸びたのは、曲のクオリティだけでなく、譜面のコンセプトとBGAの調和という総合的に合わさった結果なのかなと考えています。こういう言い方をするとかなりアレですが、「まだちゃんとBMSとして見てくれてるのね!」という言葉が本音に非常に近いです。
個人的には、海外の方からの評価が結構高かったな~という印象があります。何が琴線に触れたのかは正確に推測できない部分ではありますが、「曲の奇特さ」と「譜面」が色々と上手い事働いてくれたのかな、というふわっとした推察をしています。
ここからはちょっとだけ作品について感想的な何かを述べておきます。
今回の作品は概要やReadmeにも書いた通り、「譜面でやりたかったこと」が最初のコンセプトになっています。なので、コンセプトにあった曲とBGAが必要になるわけです。
正直なところ、曲に対する自信が水素原子一個分ほどしかないので、「曲がコンセプト負けするんじゃないか……」と発表まで非常に不安でした。なので、デジタルな印象とドライな雰囲気を目指して、不安に立ち向かえるようにクオリティを高めるぞ!と色々限界(多忙)な状態で作曲していました。メンタルきちい~~(^~^)と音を上げたり上げなかったりしていましたが、最終的にはある程度プレイヤー側に思い通りの雰囲気が伝わっていたようで、ようやく肩を撫で下ろすことが出来ました。
mix段階でとても苦戦していたところを手助けしてくれたかきぴーかなでや、完成した曲や譜面に対して前向きなコメントを残してくれたおとしぶたとえおりあさんには大変感謝しております。自分がチーム戦の恩恵を一番受けていた気がするな!
あとはReadmeでも困っていましたが、正確な曲のジャンルは……何でしょう……?新しく名づけるなら、Chipbreakから派生して「Bitbreak」とか付けてみたいですよね。この手のジャンルは結構お気に入りということが作る中で分かったので、これから積極的に作っていきたいです。
BGAはインプレ返しにも書きましたが、めっちゃ突貫です。作業日数2日とかだった気がします。一応0と1しか書いてない画像を基盤にする!という部分までは頭の中で決まっていたので、あとはノリと勢いで作業をシバきました。毎回頑張って映像まで表現しようとBGAを作るんですが、映像の知識が無さ過ぎて毎回クッソアナログな作業を強いられています。今回の連番も1枚ずつ全部手動で作ってます。正直なところそろそろ誰かに頼みたいです……。
あとこれは完全に個人的な主観というか、ちょっと意外だな~と思ったので触れておくと、HS-FIX使ってない人結構いるんだな~!って。自分の周囲しか知る機会がなかったので、今までは8割くらいの人がHS-FIX使ってるのかな~というイメージでした。なのでインプレで「初めてHS-FIX使いました!」とか見ると、ちょっとだけ申し訳ない気持ちになったりならなかったりしました。まあここは一つBMSにはこういう可能性もあるということで!
感想は以上なんですが、最後にちょっとだけ宣伝をば。
しれっと難易度表を立ち上げました。その名も「ギミック譜面案内所」。ギミックを含む譜面をべべッとまとめた表になります。まだまだ追加できる譜面はあると思うので、是非とも「こんな譜面あるよ!」と気軽に提案していただければ幸いです。
ギミック譜面案内所 (@Gimmick_info) | Twitter
それでは!ギミック譜面はいいぞ!
縦連打、とは。【#BMS_Shuin 後日談】
みんなチョコミント食べてるー?ぼくは毎日食べてる!(体重の増える音)
自分はピコピコ党がなかなか出来なかったので、譜面コンセプトである縦連打党に早々と立候補しました。後々ピコピコ党も出来ましたが、そのまま縦連打党として参加しました。
その作品がこちらになります。
[Sweetie Chiptune] Chocomint Mille-feuille / NASA
結果としては99作品中2位と参加した当時の予想を遥かに上回り、「ほんまにこれ自分の作品か?」とまだ現実を受け入れられずにいます。なんで?いやめっちゃ嬉しいんですけども!
感情のキャパを超えたので何が何やら分からんな!とか、参加する前からつよつよ楽曲の波に押されて自信が無になってたので理解が追いつかない、とか。贅沢なお話だなお前!
いやはやしかしこの度は沢山のプレイとインプレをありがとうございました。自分もヤッベ〜〜〜と言いながら全作品インプレ+自党のコメントをさせて頂きました。そのうち差分とか作るかもしれません。
感想は書くと山ほど出てくるんですけど、思ってることはどうせTwitterなり各所に書いてると思うので、まあ置いておくとして。
今回したいお話は「縦連打ってなんだろう?」という個人的な見解とか、作品内での立ち位置とか、その辺のお話です。
あくまで個人的な所感なので、分かり合えない人も大勢いると思います。こういう考えの人もいるんだな、くらいのやんわりとした目線で見ていただければな、と思います。
あとちょっと長いぞ!Readmeも長いのになお前な!
突然ですが、「縦連打」って、なんでしょう?
同じ鍵盤を細かい間隔で連打すること、ですよね。まあ定義的にはそれに他ならないんですけれども。
縦連打にアサインされている音は、大抵は前に配置した音と同じものです。
鮮やかなメロディラインも、賑やかに踊るドラムパターンも、雰囲気を醸し出す装飾音でさえも、
同じ音程、同じ音で無ければ、よほど何も考えずに配置しない限りは、縦連打にはならないでしょう。
メロディは音程が動く限り、基本的にはその音階通りにノーツも動かすべきです。そして、その動かす幅にはある程度の自由度があります。
同じ音を鳴らし続ける縦連打には、縦に並べる鍵盤を指定することしか出来ません。
もう一度問いましょう。
「縦連打」って、なんでしょう?
私が思うには、「縦連打」は考え得る配置の中で「最も意志の強い配置」です。
これは私が今回縦連打党として参加して、一番強く感じた点です。
譜面に対して特にこだわりがなかったり、ふわっとした物量譜面が叩きたい人にとって、縦連打は厄介な存在かもしれません。
しかし少し考えてみてください。
「そこに縦連打が配置された意味」は、おおよその場合は存在しているものです。
「なんとなく同じ音が鳴っていたから」、「わざと叩きにくい配置にしたかったから」、「譜面にアクセントを付けたかったから」
理由はどうあれ、何らかの意志を持って配置されているはずです。
意志の強い弱いに関わらず、他の傾向に比べて意志が込めやすいこと。これが縦連打の一番良い点だと、今回の衆院選で気付きました。
また、同じ鍵盤を叩いて同じ音が鳴る以上、打鍵感や演奏感は他の配置より断然強いものになります。
古くは5鍵盤の時代、「同じ音は同じ鍵盤にアサインされている」ことが常識だった時代もあり、縦連打も「曲通りの譜面である」と広く認められていました。
しかし、近年の音ゲー全般では、縦連打を忌避する流れ、或いは縦連打の扱いがぞんざいな譜面が横行しています。
そんな中颯爽とSOUND VOLTEXというキー音すらないゲームに現れた楽曲、「び」。その115連打地帯に、私は感動しました。
「びびびびびびびび……」と続く歌詞に合わせ、"B"のボタンに降り注ぐ115連打、そしてただ連打させるだけでなく、その両端にアナログデバイス(つまみ)を添えることで、ゲージの過度な減少を阻止する配慮……
これが縦連打の在るべき姿なのでは?とすら思いました。この譜面が無ければピコピコ党に心変わりしていたかもしれない、それくらいには印象的でした。(表明ページコメントの真意)
余談ですが、拙作にも長い連打があり、これは「び」をリスペクトしたものになります。連打数が100ちょいなんでリスペクト元の方が長いですが。BPMはこっちの方が速いので勝ち!(何の勝負?)
話が若干逸れましたが、以上のことから、「縦連打は意志の強い演奏感抜群の配置」ですやんか!と考えるようになりました。最高では?
そういう予習をしてから曲を作り、譜面をつけてみたらば、BPMが速い、置いた音が細かすぎるなどの事故(?)はありましたが、テストプレイの段階でめちゃ楽しいやないかお前!!!って言ってました。
このテストプレイの時に、縦連打に偏った譜面は「攻略する」というエッセンスが強いなと思いました。
会場コメントにも書いたんですが、専コン勢なら縦連打って両手で取れるんですよね。運指を上手く崩さないといけないんですけど。
今回の譜面では、それを如何に利用させるか、あるいは封じるかという部分をかなり考えました。
「あの譜面では両手で取れた配置が封じられてる!」とか、「こうすれば意外と取れるんじゃないか?」とか。
縦連打は比較的簡単に攻略性を持たせることが出来て、ゲームやってる!って感じがして、それも良い点だと思います。
あと、他の人の配信をチラチラ見てて思ったこと。
こういうゲーム性あって分かりやすい譜面は、初見で色んな反応が見られて面白い!(最低)
これだけ簡単に笑顔を届けられるって凄くないですか?しかめっ面になってたらごめんね?チョコミント食うか?(隙あらば販促)
まあまあ、色んな話をしましたが、まとめるために最後に問うておきましょう。
「縦連打」って、なんでしょう?
「意志が強く打鍵感バッチリ、ゲーム性が高くて人々を笑顔にすることが出来るもの」、私はそう思います。
これも縦連打党に参加したから実感出来たことであり、党首のルゼさんや、党員の面々に多大なる感謝をしております。ありがとうございました。
また、改めて皆さんプレイインプレありがとうございました。参加者の方々はお疲れ様でした。一緒に戦えて光栄でございます。
私はいち譜面作者として、縦連打党じゃないと得られなかったであろう充足感に、縦連打党で良かったな、と心から思いましたとさ。めでたしめでたし。
チョコミントな気持ち 002
どうもNASAです。って毎回名乗るけどこれいる?とちょっと思い始めました。NASAです。
今日もチョコミントのレビューをしたく存じます。
今日はコレ!
明治から出ているチョコミントアイスパフェです。前回もアイスだったなお前?
先に言うと次回もアイスで攻めていこうと思います。
たまたま売店で見かけたチョコミントアイスパフェ、由緒正しいカップ入りのパフェという風体が可愛らしく購入しました。
上から見ると、土台がミントアイスで、チョコソースが中心からパラソルの縞を描いています。そして砕かれたオレオ的クッキーが半面に乗っています。
チョコ側から食べると、想像通りの爽やかミントとチョコで、由緒正しいチョコミントに思いを巡らすことができます。クッキー側から食べると、食感に変化が出て口の中が楽しくなります。土台のミントアイス自体はvery very icecream with creamなのでしっかり甘いです。
上層部の飾りを食べ切ったらそれで終わり!……と思ったそこの奥さん。見てくださいコレ!(公式ページの底の方見て)
底が近くなると、ただのミントアイスじゃなくチョコチップ混じりのミントアイスに変わります。ミント感はチョコチップに負けじと一層強まり、最後まで飽きさせない演出をしてくれます。
余談ですが、ミント度はダイレクトな冷たさが爽やかさをもたらすので、自然とミント度が高くなりやすいことに気付きました。ん?当たり前では?
ミント度★★★★☆
甘さ★★★★★
ちなみに、可愛らしい風体から繰り出される量はそんなに可愛くないので、ガッツリ食べたいぞ!という時にオススメかも知れないです。私は圧倒的物量の前に、晩飯のおかずを一品減らしました。
それでは。