なさの雑記

アウトプットの掃き溜め

NASA 1st Album「Halve Reality」について 【制作後記】

体調が終焉な今日この頃、誰か助けてくれ!どうもNASAです。

 

ご存知の方はご存知、知らない人はそれとなく今確認してほしいのですが、M3春2022にて1stアルバムを頒布しました。

その名も「Halve Reality」。「現実を真っ二つに」。文法的には間違えてるけど無視しました

この記事では、その制作までの経緯やら内容やらについてつらつらと自分語りします。オタク。

 

 

------ 目次 ------

 

 

 

1.制作に取り掛かるまで

時は更に遡って2021年。そこそこ親しい仲であるおさとう(sugar)さんが春のM3で、kooridoriさんが秋のM3でアルバムを出し、両者から「次はお前や」と唆されていました。ぐぬぬ

 

M3というのは音楽系同人即売会の最大手で、年2回東京流通センターで開催されています。

数百のサークルが犇めき合い、己の渾身の創作物を聴きやがれと、会場を取り巻く目に見えない熱気は錚々たるものです。

私はM3秋2020で初めて客として参加し、あまりの音屋の多さに怖じ、自分が創作をやる理由とは何ぞやと考える程度には衝撃を受けました。

そして2回目の参加になったM3秋2021、そこでよく見知った仲の友人がCDを売り出し、楽しそうにしている姿を見て、少し思うところがありました。

アルバムこそ、自分の曲の評価を正当に客観視できる場なのではないか?」と。

 

有名なKONAMI社の音楽ゲームである「beatmaniaIIDX」や「pop'n music」と極めて似た性質を持つ同人ゲーム「BMS(Be-Music Script)」、私はその中で譜面BMS作者をやっています。

活動の始まりが差分譜面の作成(元あるBMSに別の難易度・アプローチの譜面を付けること)からだったので、BMSを作る側として関わってからも「自分は譜面作者である」というスタンスを一貫してきました。

しかし、譜面には一定の自信があるものの、自分の曲はどのように見られているのか?という点については、広いようで狭いBMSという界隈の垣根内でしか評価されたことがなく、イマイチよくわからん!というのか正直なところでした。

アメリカ航空宇宙局の名と被ってるくせに、ちっぽけな井の中の蛙のままでいいのかお前は、という念が、活動年数が増えるごとに堆積していました。

 

交友関係が固定化されていく一方、このままではアンテナ消滅老害アラサーに一直線!という地獄のような現状を打破すべく、友人の姿を後押しにCD制作を決意しました。

 

 

2.コンセプト

アルバム名のHalve Realityに至るまで、一体何があったのか。

 

前の章では何か大層なことを書いていましたが、現実的に考えてBMS界隈外で知名度0の人間が普通に売り出しても、誰も見向きはせんだろうというのが世の常人の常。

ならば方針としては、既存曲のロングはやりつつ、今までChiptune系の作者として認知されていたであろう固定観念に一石投じたい。知らない人へ売り出すというよりは、「既に知ってもらっている人へ決意表明をしたい」と。

そうなったらもう吹っ切れるしかない、やりたい放題やろう!というのが構想でした。

 

まずはこっそり東京事変が好きなので、東京事変のアルバムでやっている「タイトル文字数芸」をやろうと。実は失敗してるけど

そして半分は既存曲、半分は新しい曲にして、真ん中に転換点になる曲を持ってくれば完璧では?

安直な思い付きから始まった計画は既に年を越しており、3ヶ月の限界作業に追われることになったのは、今となっては……決して良い思い出ではないな……。

 

 

3.各曲紹介

01. Reality / 09. Imagine

構想の「現実」と「理想」をイメージした対になる2曲。曲の構造はほぼ同じで、Chiptune的構成(Reality)→なんちゃって吹奏楽的構成(Imagine)に変えています。自分から最も遠いところにあるジャンルが生音、ひいてはクラシックやブラバンのようなジャンルなので、敢えて挑戦してみました。

 

02. Welcome to the 8bit Miniascape! [Re:2022]

最もChiptune的構成に近いこの曲からスタート。

自分が主催したBMSイベント"Bit Memory Squarewaves"に参加した曲のロングバージョン。BMS制作当時は素晴らしく時間が無かったので、後から見返して足りなそうな音を足したりしています。

 

03. F10atmaneuver [Re:2022]

矩形波浮動小数点を描いた一曲。

BMSイベント"BOFXV"に参加した曲のロングバージョン。「浮動小数点」をテーマにした作品で、BPM 0-1という制約の中でギミック譜面を成立させた個人的会心の一作です。一方、曲に関しては未熟な部分があったのでこの機会にブラッシュアップしています。


04. MEGANETWORK! [Re:2022]

セカイに届け、メガネの"環"!

BMSイベント"BOFXVI"に参加した曲のロングバージョン。「眼鏡」をテーマに作品のいたるところに眼鏡を仕込んだ、自分の好み100%の作品。Chiptune+αとして色々な要素を織り込んでいます。ロング尺では更に別の要素が足されているとか……?

 

05 .In↓erse Wor↑d

全員を面食らわせるにはどうすればいいか?固定観念を根底から覆せばいい。

自分が一切触れてこなかったロック系のジャンルで「世界をひっくり返す」一曲。自分をよく知る人ほど驚いてくれたはず!新しく書き下ろした曲の中で一番すぐ出来た記憶があるので、意外と相性が良いのかも?

 

06. MEGANEXTONE! feat. 初音ミク

驚きの声は一回だけでは終わらせない。自分は次の世界へ進むのだ!

またしても自分が一切触れてこなかったボーカルモノで「次の世界に自分を進める」一曲。lumoさんの「ネコンダクター」に心奪われてから、いつかこの人みたいな曲を作ってみたい!を体現しようと試行錯誤したものです。

 

07. Appr0x1mate

何もかもキモい曲が好き、そんな逆張りを詰め込んでみよう。

硬めな音と変な音を15/16や17/16の変拍子に乗せて、ドカチャカ置きまくった不思議な曲です。Frumsさんへの憧れ要素がちょっと入ってます。今思い返せばこの曲が一番音が良いかも?

 

08. Goodbye to the 4-by-4 Universe!

逆張りの次は順張りでどうだ?ただし四つ打ち、テメーはダメだ。

Drum'n'bassをイメージしながら作ろうとした、個人的に正統派な曲……のはずが突然ブレイクビーツが紛れ込んでいつも通りになる曲。Chiptune要素が逆に引き立て役に回るようなところを目指して、到達できた……のか……?この曲Chiptune要素のとこが一番良くない?


10. Welcome to the 8bit Miniascape! (Lime Remix)

BMS界の憧れの大先輩ことLime(Kankitsu)さんによるRemix。ひっそりと自分の過去曲要素まで入っていて、依頼が通った時と音源が届いた時の2回、家が倒壊するほどの大きな声を出したせいで破産しました。THE Kawaiicore全開な曲調でファン大興奮の一曲です。

 

 

4.後記

なんだかんだで入稿はギリギリだったものの、無事にアルバムは完成しました。

M3当日は売れる売れないに関係なく、自分の心血を注いだものを手に取って貰える、という経験がとても新鮮で、感謝だったり驚きだったり物凄い巨大感情になったことは覚えています。とても貴重な体験でした。

一方で、BMSはイベントに出せばインプレッションで反応が必ず返ってくるのに対し、聴いたアルバムに対して反応をどこかに投げるという文化とか習慣って滅多にないよな、という所があまりにも盲点でした。一部の人から反応があってとても嬉しかった一方で、どうでした?このアルバム。自分は気になってます。今からでも遅くないぞ!(突然の自己顕示欲)

 

……

 

時は現在に戻り2023年秋、結果としてアルバム制作から徐々にChiptune以外のジャンルにも手を出せるようになり、DTM初心者から駆け出しくらいにはなれたかな、と思っています。まだまだだけどね!

また、正直今聞き返すとちょっと思う所はあるものの、思う所があるということは前進出来ているのだ、という証左なので、自分はまだまだ進めるんだと思っています。

 

そんなNASAが参加しているアルバムが2023秋M3で出るぞ!

www.youtube.com

BMSイベント"BOFXV"の時のチーム「73KB」のメンバーであるE0ri4KaKiotoshi.bの3人と再び集結し、それぞれの新曲Remix合作までしちゃうアルバム「73KB EP」が出ます!

自分の関わっている曲は以下の3つです。

 

 

01. Limegreen / NASA × E0ri4

E0ri4さんとの合作です。自分はメロとFX担当!E0ri4さんの手によってめちゃ爽やかでイカしたComplextroに昇華されています。

 

 

05. PERFECT PARFAIT (NASA Remix)

BMSイベント"A-1 ClimaX 8th -Stand out shines-"でE0ri4さんが参加した作品のRemix。Chiptune音源縛りで作ってるので、普段通りのピコピコです。他の曲の要素も混ざってるとか混ざっていないとか……?

 

09. F10atexplorer

タイトルからも察せられる通り、自分のアルバムにも入れた"F10atmaneuver"の正統派続編です。気合入れすぎて6分ありますが色々詰め込んだので飽きさせはしません!

 

 

 

当時プレイしてくれた人にとっては感慨深いだろうし、新しく知ってくれた人にとってはチーム紹介のようなアルバムになっていると思います。

当時を思いながら現在の自分が出来ることは詰め込んだし、他の人も同様なので、熱量のこもったアルバムになっていると思います。

通販もあるので、是非手に取ってくれよな!